渋沢栄一記念財団 実業史錦絵絵引

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作品詳細

[ 釘を作る ](くぎをつくる)

シリーズ:衣喰住之内家職幼絵解之図

解説/画中のテキスト

作品解説

 木造の建物では大量の釘を使う。釘は現在では工場生産で、針金を切って先端を尖らせ、後部を少し平らにしたものとなっているが、江戸時代から明治中期までは一本一本鍛冶が叩いて作った。釘以外にも建物には様々な金物(鉄製品)が使われ、鑓(やり)などをやはり鍛冶(かじ)が作った。説明文によると釘を50本・100本ずつ束ねるというが、要するに釘は何本と数えたのである。しかし現在は、もちろん大工が釘を打つときは何本と数えるが、生産するときも樽に入れて運ぶときも、目方(重量)で扱う。これも時代の相違のひとつである。
 なお、明治の初め頃、東京は「亰」の字を使っていたが定着せず、いつしか「京」の字を使うようになった。

画中のテキスト(釈文)

第一
鍛冶(かしの)鉄物(かなもの)は諸国(しよこく)/より出(いづ)るといへとも、先(まづ)/京都(きやうと)より廻(まハ)るを登(のぼ)り/といふ、東亰(とうけい)にて製/造(せゐぞう)するを地(ぢ)といふ、是(これ)は、/鉄(くろがね)を夫ゝ(それそれ)の品(しな)に製(せゐ)すにハ、/俵炭(たはらずミ)といふ極(ごく)やわかな炭(すみ)を細(こま)か/にくだき、ふいごといふ火(ひ)おこしの/具(ぐ)にて火(ひ)を起(おこ)し、火(ひ)の中(なか)へ幾度(いくたび)も/入(いれ)ては出(いだ)し、かなとこの上にて三人/又ハ四人にてあひ槌(づち)にて段々(だんだん)きたへ、/何(なに)しなによらず造(つく)るの図(づ)

 

大中小の釘を/五十本百本と/かぞへて/たばねる図

画中のテキスト(現代語訳)

第一
鍛冶がつくる金物は諸国で作られるが、そのうち京都から廻ってくるものは登りと呼ばれ、東亰で作られるものは地という。鉄から色々なものを作る場合、俵炭というごくやわらかな炭を細かくくだき、ふいごという火起しの道具で火を起こし、火の中へ何度も入れては出し、かなとこの上で3人または4人で相槌で次第にきたえ、どんなモノでも造る、その図である。

 

大中小の釘を50本100本と数えて束ねている図。

図像・事物一覧

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画像 図像・事物 カテゴリー
鍛冶A 鍛冶A 人物
鍛冶B 鍛冶B 人物
女 人物
金槌 金槌 モノ・道具
大〓[金+奄] 大〓[金+奄] モノ・道具
金箸 金箸 モノ・道具
鋏 モノ・道具
鉄 モノ・道具
金床 金床 モノ・道具
砥舟 砥舟 モノ・道具
箱鞴 箱鞴 モノ・道具
炭 モノ・道具
自在鉤 自在鉤 モノ・道具
神棚 神棚 モノ・道具
守り札 守り札 モノ・道具
釘の束 釘の束 モノ・道具
障子 障子 モノ・道具
土壁 土壁 モノ・道具
羽目板 羽目板 モノ・道具
壁下地の竹小舞 壁下地の竹小舞 モノ・道具
土管 土管 モノ・道具
焼けた炭 焼けた炭 モノ・道具
釘 モノ・道具
薬缶 薬缶 よそおい

作品情報

シリーズ
衣喰住之内家職幼絵解之図
作者名
歌川国輝(二代)
作者名よみ
うたがわ くにてる
出版者(版元)
---
制作年(和暦)
明治6年
制作年(西暦)
1873
法量
34.5 x 23.6 cm
落款
曜斎国輝画
公開日
2009年7月15日
最終更新日
2009年7月15日

作品画像

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