渋沢栄一記念財団 実業史錦絵絵引

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作品詳細

[ 建具を作り建物に建て込む ](たてぐをつくりたてものにたてこむ)

シリーズ:衣喰住之内家職幼絵解之図

解説/画中のテキスト

作品解説

 障子や襖などの建具を作り、建物に建込むのが建具屋である。
 障子は、元来は明りを通さない建具で、骨組みの両側に板や布を貼った。しかし白い紙を片側にだけ貼れば光を拡散させつつ通ることに気付き、明り障子と呼ばれ普及する。これに対し、光を通さないものは、依然として障子とも呼ぶし、襖と呼ぶこともあった。
 襖の表面に型を使って模様を摺り出した紙を貼ったものを唐紙と呼んだ。ただし紙貼のものを広く唐紙というようにもなる。
 土壁の上に紙貼りのパネルを貼ることもある。これを張付壁という。建具に紙を貼ったり、張付壁の紙を貼ったりすることは経師(きょうじ)(または建具師)の仕事である。経師は建具などだけでなく、屏風や掛軸なども作る。

画中のテキスト(釈文)

第四
経師(きやうじ)の障子(せうじ)を張(はる)には、美濃紙(ミのかミ)/とて美濃(ミの)より出(いづ)る紙(かミ)なり、是(これ)/にもはん草(くさ)といふて紛(まが)へる紙(かミ)あれ/ども、本艸(ほんくさ)をよしとするゆへハ、美濃(ミの)の/ミたらしの水(ミづ)にてすくゆへ美濃紙の/事(こと)を御手洗(おてあら)ひともいふなり、先(まづ)紙(かミ)の/曲(まが)りをミてはぢをたちおとし、せうふ/のりにて紙(かミ)をつきあわせ、障子(せうじ)を張上(はりあげ)る/なり

 

又(また)襖(ふすま)を俗(ぞく)に唐紙(からかミ)といふ、/是(これ)を張(はる)にハまづ反古紙(ほうごかミ)/にて骨(ほね)しばりといふて下(した)/ばりをいたし、其(その)上へ袋(ふくろ)張/といふて紙(かミ)の三方(さんぼう)へのりを/つけなぞへに三べん/又は四へんもはり、また/白紙(はくし)にて上紙(うハはり)下を二へ/んべた張(はり)をいたし其/上へうハばりをする/なり、/上張紙(うハはりがミ)は其好(この)ミにしたが/い有間唐紙(ありまとうし)・ぐわん石(ぜき)唐紙・/まに合唐紙(あひどうし)・雁皮帋(がんひし)其外/色々あり、引手ふちなどハ同く是に順(しゆん)ずなり

 

此図は張付といふて/天井座敷にかべを/張たてる/ところ

画中のテキスト(現代語訳)

第四
経師(屋)が障子を張るには、美濃紙を使う。美濃紙は、はん(半)草という類似品があるが、本草の方がよい。美濃のみたらしの水ですくので御手洗ともいう。先ず紙が曲がっていないか注意し、端部を断ち落し、しょうふのりで紙をつなぎ、障子を張り上げる。

 

襖を俗に唐紙ともいう。これを張るには先ず骨しばりといって反古紙で下張りをし、その上へ袋張りといって紙の三方へのりを付け、三べん又は四へんも張り、白い紙でべた張りに二へん張り、その上に上張りをする。

上張りの紙は、好みによって有間唐紙・がんぜき唐紙・まに合唐紙・雁皮紙などを使う。引手や縁などもこれに準ずる。

 

この図は、張付といって天井や座敷の壁に紙を張りたてるところである。
 

図像・事物一覧

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画像 図像・事物 カテゴリー
経師A 経師A 人物
経師B 経師B 人物
経師C 経師C 人物
経師の小僧 経師の小僧 人物
紙裁 紙裁 モノ・道具
糊刷毛 糊刷毛 モノ・道具
糊桶または糊盥 糊桶または糊盥 モノ・道具
糊をつける台 糊をつける台 モノ・道具
糊箱 糊箱 モノ・道具
障子の堅框 障子の堅框 モノ・道具
障子の上桟 障子の上桟 モノ・道具
障子紙 障子紙 モノ・道具
襖の縁 襖の縁 モノ・道具
上張紙 上張紙 モノ・道具
障子を置く台 障子を置く台 モノ・道具
壁張付の紙 壁張付の紙 モノ・道具
張付壁 張付壁 モノ・道具
刷毛 刷毛 モノ・道具
襷 よそおい
三尺帯 三尺帯 よそおい
男帯 男帯 よそおい
小袖 小袖 よそおい
褌 よそおい
散切り 散切り よそおい
向こう鉢巻 向こう鉢巻 よそおい

作品情報

シリーズ
衣喰住之内家職幼絵解之図
作者名
歌川国輝(二代)
作者名よみ
うたがわ くにてる
出版者(版元)
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制作年(和暦)
明治6年
制作年(西暦)
1873
法量
35.0 x 23.8 cm
落款
曜斎国輝画
公開日
2009年7月15日
最終更新日
2009年7月15日

作品画像

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