渋沢栄一記念財団 実業史錦絵絵引

実業史錦絵絵引 絵引データベース 作品詳細

作品詳細

[ 植木屋が鉢前を作り、左官が壁を仕上げる ](うえきやがはちまえをつくり、さかんがかべをしあげる)

シリーズ:衣喰住之内家職幼絵解之図

解説/画中のテキスト

作品解説

 壁に壁土や仕上げの漆喰(しっくい)を塗るのが左官である。江戸時代には壁方などとも呼ばれている。土壁は竹を縦横に組み、縄を絡ませた小舞(こまい)を骨組みとし、これに土を塗り付ける。小舞は細い丸竹を使うこともあるが、多くは竹を割って使う。小舞を作るのは小舞師あるいは小舞工である。
 土は、下塗り、中塗り、上塗り(仕上げ)の少なくとも三工程を経るのが通常で、それぞれ十分に乾燥させてから次の工程に移る。仕上げを白壁にする場合は漆喰を使う。数寄屋造りでは赤や青などの色壁を使うこともある。
 説明文に「根岸の土」という言葉が出てくる。根岸は東京の下町の地名だが、この絵解きが東京で作られたことを示している。

画中のテキスト(釈文)

第五
普請(ふしん)出来(でき)あがりの/うへ、縁側先(ゑんがハさき)へ手洗(てあらひ)水の/流(なか)しなどをつけるを/はち前(まへ)といふて是(これ)を/植木屋か作(つく)る図(づ)、/庭(には)は好(この)ミに/よりて色ゝ(いろいろ)工風あり

 

左官(さくわん)の上塗(うハぬり)といふハ/仕揚(しあげ)仕事なり、是(これ)も/人々の好(この)ミに随(した)がひ/根岸(ねぎし)の土又は砂(すな)へ/いろいろの絵(ゑ)の具(ぐ)を交(まぜ)/あわせ、つのまたにて/ねばりをとり塗(ぬる)なり、/其外しつくゐといふは/牡蠣(かき)の貝(かひ)の焼(やき)たるを/製(せゐ)したる/粉(こ)なり

画中のテキスト(現代語訳)

第五
普請が完成したのち、縁側先へ手洗いの流しなどを付けるのをはち(鉢)前といって、これを植木屋が作っているのがこの図である。庭は好みによって色々な工夫がある。

 

左官の上塗りは仕上げの仕事である。人々の好みにより、根岸の土又は砂へ色々の絵具を混ぜ合せ、つのまた(角又)でねばりを取り、塗る。そのほかしっくい(漆喰)というのは牡蠣の貝がらを焼いて作った粉である。

図像・事物一覧

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画像 図像・事物 カテゴリー
植木屋 植木屋 人物
左官A 左官A 人物
左官B 左官B 人物
鋏 モノ・道具
手水鉢 手水鉢 モノ・道具
縁側 縁側 モノ・道具
竹垣 竹垣 モノ・道具
竹垣の堅子 竹垣の堅子 モノ・道具
鍬 モノ・道具
練り舟(舟) 練り舟(舟) モノ・道具
鏝 モノ・道具
塗り土 塗り土 モノ・道具
鏝板 鏝板 モノ・道具
土壁 土壁 モノ・道具
縄 モノ・道具
踏石 踏石 モノ・道具
印半纏 印半纏 よそおい
三尺帯 三尺帯 よそおい
股引 股引 よそおい
米屋被り 米屋被り よそおい
向こう鉢巻 向こう鉢巻 よそおい
煙草入 煙草入 よそおい
煙管筒 煙管筒 よそおい
手拭 手拭 よそおい
足袋 足袋 よそおい
草履 草履 よそおい
半纏 半纏 よそおい

作品情報

シリーズ
衣喰住之内家職幼絵解之図
作者名
歌川国輝(二代)
作者名よみ
うたがわ くにてる
出版者(版元)
---
制作年(和暦)
明治6年
制作年(西暦)
1873
法量
35.8 x 23.8 cm
落款
曜斎国輝画
公開日
2009年7月15日
最終更新日
2009年7月15日

作品画像

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