渋沢栄一記念財団 実業史錦絵絵引

実業史錦絵絵引 絵引データベース 作品詳細

作品詳細

[ 屋根屋が屋根板を葺き、左官が壁を作る ](やねやがやねいたをふき、さかんがかべをつくる)

シリーズ:衣喰住之内家職幼絵解之図

解説/画中のテキスト

作品解説

 この時期の屋根の葺き方には、瓦葺き、檜皮葺き、杮(こけら)葺き、栩(とち)葺き、板葺きなどがあった。瓦葺きは本瓦葺きと桟瓦葺きの二種があり、寺院など伝統的な建物は本瓦葺きだが住宅はほとんど桟瓦葺きである。檜皮葺きは檜の皮を重ねて葺くもので、板葺きと共に一般住宅にはほとんど使わない。杮葺きと栩葺きはいずれも薄い板を重ねて葺くもので、杮葺きは厚さ1分(3mm)程、長さ7分~1尺3寸(20~40cm)の薄い板、栩葺きは厚さ3分~1寸(9~30mm)、長さ2尺(60cm)以内の板を使う。板種は杮葺きは杉・椹(さわら)・檜の赤味、栩葺きは椹の割り板。要するに杮葺きより栩葺きの方が板厚が厚い。
 この絵解きは杉の薄板を使うとしているが、このように杉とは限らない。

画中のテキスト(釈文)

第十一
家根(やね)につかふやね板(いた)といふは、/杉(すき)を薄(うす)くへぎたるをたバ/ねて山方(やまかた)よりいづるなり、/是(これ)に女竹(おんなたけ)をこまかに/割(わり)て五六分くらいづゝ/になぞへにきり、鉄/鍋(てつなべ)にてよくいり/たるを釘(くぎ)にして、/家根屋(やねや)が/ふく図(づ)

 

第十[二]
左官(さくわん)のかべを作(つく)るにハ、先(まづ)こまへがきと/いふが細(ほそ)きめ竹(たけ)を柱(はしら)とはしらの小(ちい)さき/穴(あな)へさしこミ、それへおなじ竹(たけ)の割(わり)/たるをこまへ縄(なハ)というハらなハ/にて/かがり/つくる図(づ)

画中のテキスト(現代語訳)

第十一
屋根に使う屋根板は、杉を薄くへいだ(割り取った)ものを束ねて山から運び出してくる。女竹を細かに割って五、六分くらいの長さで先端を斜めに切ったものを鉄鍋でよく煎って、これを釘として使い、屋根屋が葺いている図。

 

第十[二]
左官が壁を作るには、まず小舞かきという細い竹を(壁の両側の)柱の小さな穴に指し込み、それへ竹を割ったものを小舞縄という藁縄でかがっていく、これはその様子を描いた図である。

図像・事物一覧

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画像 図像・事物 カテゴリー
屋根屋A 屋根屋A 人物
屋根屋B 屋根屋B 人物
屋根屋C 屋根屋C 人物
左官 左官 人物
屋根葺き専用の金槌 屋根葺き専用の金槌 モノ・道具
茣蓙 茣蓙 モノ・道具
栩板 栩板 モノ・道具
釘箱 釘箱 モノ・道具
竹釘 竹釘 モノ・道具
広小舞 広小舞 モノ・道具
垂木 垂木 モノ・道具
栩板を束ねる紐 栩板を束ねる紐 モノ・道具
梯子 梯子 モノ・道具
栩葺きの屋根 栩葺きの屋根 モノ・道具
縄または小舞縄 縄または小舞縄 モノ・道具
竹小舞 竹小舞 モノ・道具
竹を割る鉈 竹を割る鉈 モノ・道具
小舞竹 小舞竹 モノ・道具
柱 モノ・道具
歩み板 歩み板 モノ・道具
足場 足場 モノ・道具
縄 モノ・道具
屋根小舞 屋根小舞 モノ・道具
印半纏 印半纏 よそおい
菅笠 菅笠 よそおい
手甲 手甲 よそおい

作品情報

シリーズ
衣喰住之内家職幼絵解之図
作者名
歌川国輝(二代)
作者名よみ
うたがわ くにてる
出版者(版元)
---
制作年(和暦)
明治6年
制作年(西暦)
1873
法量
35.8 x 24.0 cm
落款
応需曜斎国輝画
公開日
2009年7月15日
最終更新日
2009年7月15日

作品画像

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