渋沢栄一記念財団 実業史錦絵絵引
シリーズ:衣喰住之内家職幼絵解之図
瓦とレンガを作っている図である。奥に窯が描かれ、瓦とレンガを同じ窯で焼くと誤解されそうだが実際にはそういうことはない。
レンガの製造は日本では1850年の佐賀藩反射炉築造に使われたのが最初とされ、建築用のレンガは1857年起工の長崎製鉄所に使われたのが最初だとされる。従って明治6(1873)年当時は使われていて不思議はないが、この図のように瓦とレンガが同じところで作られたとは考え難い。
瓦の土は荒木田土(あらきだつち)を使うと説明されている。これもこの絵解きが東京地域を念頭に置いたものであることを示している。なお瓦は全国あちこちで焼かれているが、三州(三河)・淡路・石州(石見)が特に知られている。
十六
瓦(かはら)は、荒木田(あらきだ)といふ/土(つち)に水(みづ)をまぜ、幾度(いくたび)か/鍬(くわ)にて切(きり)かへし、能々(よくよく)/ねれたるを瓦(かはら)の形(かたち)に/木(き)にて作(つく)りたる台(だい)の/上(うへ)へ載(のせ)、きらをふり、/竹(たけ)へらにて能ゝ(よくよく)/こすり、是(これ)をほし/あげて土(つち)にてつき/あげたる釜(かま)へ入(いれ)、かれ/松(まつ)の枝(えだ)にて蒸(むし)/やきにする図(づ)
左(しだり)の方(かた)煉瓦石(れんくハせき)/を製造する/ところ
瓦がま/図の如し
十六
瓦は、荒木田という土に水を混ぜ、鍬で何度も切かえし、よく練ったものを瓦の形の木で作った台の上へ載せ(て瓦の形に整形し)、きらをふりかけ、竹へらでよくこすり、これを乾燥させ、土で築き上げた釜(窯)に入れ、枯松の枝でむし焼にする、その図である。
左の方のは煉瓦(レンガ)を製造しているところ。
瓦窯はこのような様子である。
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