渋沢栄一記念財団 実業史錦絵絵引

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作品詳細

[ 山に入り木を切り出す ](やまにはいりきをきりだす)

シリーズ:衣喰住之内家職幼絵解之図

解説/画中のテキスト

作品解説

 山に入って木を切り出す情景である。
 ここには書かれていないが、山に入って木を切り出す職人を杣(そま)という。この字そのものが実に見事に職種を示している。
 木を切り倒した現揚で土台や柱に使う寸法に合わせて木挽(こびき)に挽かせるとしているが、当時はまだ今日のように機械製材ではなかったため、柱や板を作るのは木挽の仕事だった。今日の製材業の仕事を木挽がしたのである。ただし、切り倒した現揚で土台や柱を木挽が作り出したというのは疑わしい。確かに室町時代には山で柱などまで製材してイカダで川を運びおろした記録があるが、江戸時代にはすでに、木挽は大工と組んで工事現場で製材したからである。

画中のテキスト(釈文)

家(いへ)を拵(こしら)へる木品(きしな)のもとハ、国々(くにくに)より出(いづ)ると/雖(いへ)ども、先(まづ)槻(けや)きハ日向(ひうが)檜(ひのき)は尾張(をはり)、松(まつ)上野(かうつけ)など/から出(いづ)るをよしとす、其外(そのほか)国々の処(ところ)に/あひて能(よき)すじやうに生(うま)るゝ木品(きしな)を撰(えら)ミ、其所の/山方商人(やまかたあきんど)といへるが山主(ぬし)より立木(たちき)を買取(かひとり)、/根切(ねきり)と唱(とな)ふる木(き)こりが其木(そのき)を切(きり)/たほし、土台(どだい)柱(はしら)其外(そのほか)/いろいろに用(もち)ゐ、/寸尺(すんしやく)を木挽(こびき)に/ひかせ、夫(それ)を山(やま)より/里(さと)へ出(いだ)す図(づ)

画中のテキスト(現代語訳)

家を作る材木は諸国から産出するが、何といっても槻(けやき)は日向、檜は尾張、松は上野などから取れるものがよい。そのほか諸国の風土に合い、よい状況に育った木を選び、その土地の山方商人という人が山の所有者から立木(立ったままの木)を買取り、根切りという名の木こりがその木を切りたおし、土台や柱など用途に応じて必要な寸法(長さや太さ)を木挽に挽かせ、それを山から里へと運び出す、その様子を描いた図である。

図像・事物一覧

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画像 図像・事物 カテゴリー
木こりA 木こりA 人物
木こりB 木こりB 人物
木挽 木挽 人物
斧 モノ・道具
材木 材木 モノ・道具
鋸 モノ・道具
切り株 切り株 モノ・道具
切り倒した木 切り倒した木 モノ・道具
切り倒す木 切り倒す木 モノ・道具
縄 モノ・道具
横挽 横挽 モノ・道具
手拭 手拭 よそおい
半纏 半纏 よそおい
腹掛け 腹掛け よそおい
三尺帯 三尺帯 よそおい
褌 よそおい
脚絆 脚絆 よそおい
草鞋 草鞋 よそおい
後ろ鉢巻 後ろ鉢巻 よそおい
袖無 袖無 よそおい
襦袢 襦袢 よそおい
山袴 山袴 よそおい
股引 股引 よそおい

作品情報

シリーズ
衣喰住之内家職幼絵解之図
作者名
歌川国輝(二代)
作者名よみ
うたがわ くにてる
出版者(版元)
---
制作年(和暦)
明治6年
制作年(西暦)
1873
法量
34.5 x 23.7 cm
落款
国輝画
公開日
2009年7月15日
最終更新日
2009年7月15日

作品画像

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