渋沢栄一記念財団 実業史錦絵絵引
シリーズ:衣喰住之内家職幼絵解之図
工事の始まりである。
建物を建てる揚所で敷地を整備し土台をすえる。土台や柱の位置は、突棒(つきぼう)で突き固め、地盤が沈下しないようにする。このような作業を「よいとまけ」とも呼ぶ。参加者全員が声を掛け合い、心を一つにして杭を打ったり地盤を突き固めたりする。
重りを落として杭を打ち込む。これを現在も杭打ちという。人力で打つわけではないが、かつて人力で突棒を使って杭を打っていたその名残であろう。
なお「手伝」(てったい)は単に手伝いをする人という意味ではなく、職種の名前である。
大工手伝(だいくてつたゐ)の/人足(にんそく)普請/場(ふしんば)地(じ)な/らしを/して、/普請(ふしん)の絵図(ゑづ)と/引合(ひきあハセ)、柱(はしら)たつ/ところへ穴(あな)をほり、/地(ぢ)形といふて松丸太(まつまるた)の/くい又はじやりなどつき/いれ、其上へ土台(とだい)石をすへるの図
此人足を/東京(とうきやう)にてハ/鳶人足(とびにんそく)仕事し(しごとし)/ともいふ
大工と手伝の人足は、普請の場所をならして平らにし、普請の絵図(設計図)と対照させ、柱と柱それぞれが立つところに穴を掘り、地形といって松丸太の杭や砂利などを入れて突き固め、その上へ土台の石をすえる、その図である。
この人足のことを東京では鳶人足とか仕事師ともいう。
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画像 | 図像・事物 | カテゴリー |
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大工または手伝A | 人物 |
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大工または手伝B | 人物 |
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大工または手伝C | 人物 |
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大工または手伝D | 人物 |
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杭 | モノ・道具 |
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杭に使う松丸太 | モノ・道具 |
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歩み板 | モノ・道具 |
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大和塀 | モノ・道具 |
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縄 | モノ・道具 |
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突棒 | モノ・道具 |
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突棒のもちて | モノ・道具 |
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向こう鉢巻 | よそおい |
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印半纏 | よそおい |
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三尺帯 | よそおい |
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脚絆 | よそおい |
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草履 | よそおい |
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根付 | よそおい |
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煙管筒 | よそおい |
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煙草入 | よそおい |
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散切り | よそおい |
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足袋 | よそおい |
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草鞋 | よそおい |
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腹掛け | よそおい |
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頬被り | よそおい |